賠償金額が3倍に!? その3
弁護士の大薄(おおすき)です。
さて、前々回からお話している相手方保険会社の当初提示額がご本人様約30万円、お母様約20万円であったところをご本人様約85万、お母様約60万円でまとめることができました!というお話の続きです。
では、「なぜ、3倍もの金額になったのか?」
お母様の件は、前回お話したので、今回は、ご本人様の件について解説いたします。
お母様と異なり、ご本人様は、ご結婚はされていたものの正社員としてお仕事をされており専業主婦ではありませんでした。
パートタイマー、内職等の兼業主婦は、現実の収入額と女性労働者の平均賃金額のいずれか高い額を基礎として算出されますが、今回のお話を伺っている限り、兼業主婦とも言い難い状況でした。
ところが、よくよくお話を伺ったところ、ご本人様は、正社員であるものの、現在、育児休業中であるとのことでした。
育児休業中における休業損害に関する取り扱いは、文献上もあまり議論されていませんが、「育児休業」=「家事・育児に専念する期間」という発想を出発点として、主婦ないし兼業主婦と同様に休業損害が観念できる!と交渉いたしました。
結果として主張が認められたことからすると、ある程度筋の通った主張であったと、我ながら思っているところではあります。
長くなりましたので、総括は次回とさせていただきます。