訴訟などの手段をおすすめする場合

 当事者間による話し合いで解決に至らない場合は、第三者を入れた解決方法に移行することとなります。第三者を入れた解決といえば、一般的には裁判を思い浮かべる方が多いと思います。しかしながら、交通事故は、民事事件の中でも数が多い部類に入ることもあり、裁判以外の手続きも充実しています。特に、後遺障害12級を超えるような事案では、訴訟などの手続きを経ないことには適切な賠償を受けられない傾向にあると感じます。その他、当事者間では適切な解決に至らない場合に、訴訟などの手段をおすすめします。

訴訟の特徴

 訴訟とは、裁判所における紛争解決の手続きとなります。訴訟は日本の法制度における最終的な解決手段です。訴訟となれば、保険会社側も弁護士に依頼して対応してくることが通常です。また、手数料(収入印紙)も必要です。訴訟を選択する場合は、これらの事情を考慮して判断することとなります。

紛争処理センター(交通事故相談センター)の特徴

 紛争処理センターとは、中立的な弁護士を間にいれて話し合いによる解決を図る手続きとなります。話し合いでの解決が難しい場合には、複数名の専門家によって裁定(裁判所における判決のようなもの)を受けることもできます。紛争処理センターでは、保険会社の担当者の応対に留まることが多いです。また、申立て手数料は要しません。紛争処理センターを選択する場合は、訴訟という最終的な解決手段を選択できる余地もあることなども考慮して判断することとなります。

民事調停の特徴

 民事調停とは、裁判所において間に調停委員という第三者を入れた話し合いによる解決を図る手続きとなります。交通事故に関しては、交通事故に詳しい調停委員が間に入ってくれることも多いです。また、裁判所における手続きであるため、保険会社側も弁護士に依頼して対応してくることが通常です。訴訟と比較すると手数料は半額となります。民事調停を選択する場合は、このような特徴を踏まえて決断する必要があります。

まとめ

 どのような事案で、どのようなタイミングで、どのような紛争解決手続きを選択するかは、交通事故の事件を早期適切に解決するために非常に重要な判断を要する事項です。交通事故の被害者側の弁護士としての腕の見せ所でもありますので、第三者を入れた解決に移行する場合には、交通事故を得意とする弁護士に相談することをおすすめします(法律相談の流れはこちら)