役員報酬の場合は休業損害がでないという話は本当か?
千葉を中心に交通事故の被害者側の弁護活動をしている大薄です。
先日、良い示談が成立しましたので、ご報告いたします。
被害者の方は、追突事故で通院・治療中にご相談に来られました。
ご相談内容の1つに、休業損害の問題がありました。
被害者の方は、会社の代表社員として役員報酬を受けている状況でした。
保険会社側は、役員報酬を受けている場合は、休業損害を認めない傾向にあります。
これは、役員報酬は、どのような事情があっても、基本的に減額されることはなく、一定の金額が支払われるため、損害が観念できないという理屈によります。
しかしながら、このような理屈は大企業の役員報酬にはあてはまるものといえますが、会社の構成員が1人の場合などは、「本人=会社」となるため、あてはまりません。
今回の被害者の方は、他に家族従業員が1名いたものの、事務手伝的な存在であったため、実質的には、会社の構成員が1人の個人事業主的な立場といえました。
最終的な示談交渉の際には、税務署への提出資料などの証拠を揃えて交渉した結果、当初0円の提示であった休業損害が最終的に約120万円認められる形となりました。
総額として、当初提示額約76万円のところ、約210万円と約3倍での解決となりました。
加害者側の保険会社は、被害者の方とは構造的に対立関係にあることは否めません。保険会社からの案内は鵜呑みにせずに、まずは、ご相談いただければと思います。