保険会社による事前認定は適切に実施されていますか? その1

千葉で交通事故の被害者側の弁護士をしている大薄です。

交通事故を弁護士に依頼する1つのメリットに後遺障害申請の被害者請求があります。

後遺障害申請には、相手方保険会社に任せる方法(事前認定)と被害者側で対応する方法(被害者請求)の大きく分けて2パターンあります。

事前認定は、相手方保険会社が資料を集めてくれるため、被害者側にとって楽ではありますが、相手方保険会社と被害者は対立関係にありますので、申請にあたって、出すべき資料を出さなかったり、逆に、出さなくても良い資料を出したりすることで、適切な認定が受けられない可能性があります。

被害者請求は、相手方保険会社に任せる場合の懸念はありませんが、被害者本人が実施しようとすると、なれない資料収集など非常に労力を要します。もっとも、交通事故を得意としている弁護士に依頼すれば、資料収集・申請を代行できますので、スムーズです。

今回の被害者の方は、保険会社による事前認定の結果、後遺障害非該当とされたことの妥当性に疑問を感じて、当事務所にご相談に来られました。

症状としては、下肢関節の機能障害が残ってる状況とのことでした。

さらにお話を伺ったところ、①自転車で走行中に自動車に衝突されて下肢関節を骨折したこと、②下肢関節には手術が実施され人工関節となっていること、③傷害保険に提出した医療記録からは事故から10日後のCTにて骨折の診断がなされたことが分かりました。

そのような話を踏まえて、事前認定の結果、後遺障害が非該当とされた理由を拝見したところ、「後遺障害診断書には人工関節の手術の記載が認められますが、事故当日の画像上、下肢関節に骨折等の外傷性所見は認められない」ことが根拠とされていました。

このような理由をみて、今回の事前認定は非常に悪質と憤ったのですが、どうしてそのように思ったかお分かりになりますでしょうか。

長くなりましたので、続きは次回といたします。