自賠責保険を有効活用する方法とは? その1

千葉を中心に交通事故の被害者側の事件を専門に活動している弁護士の大薄です。

先日、裁判所で良い和解が成立したため、ご報告いたします。

事案の概容としては、被害者の方が自動車に乗車中に追突事故の被害にあって通院を開始してから約1か月後に駐車場内で停車中の逆突事故の被害にあったというものでした。

相談者様にご準備いただいた車両の損傷写真を拝見したところ、最初に発生した追突事故(以下「第1事故」といいます。)の方が、その後に発生した逆突事故(以下「第2事故」といいます。)よりも損傷が大きく、衝撃の程度も大きかったと推察されましたが、保険会社の慣行に従って、第2事故発生後は第2事故の保険会社が治療費の支払をしていた状況でした。

しかしながら、被害者の方の治療が終了し、賠償の話となったタイミングで、第2事故の保険会社から第2事故の事故態様が大きなものではないため、第2事故の保険会社と第1事故の保険会社の負担割合の検討が必要であるとの話を受けて、事態が止まってしまったとのことでした。

そこで、第1事故の方が衝撃が大きかったこともあり、第1事故の保険会社へ賠償対応を求めたところ、第2事故の保険会社と同様の理由で対応できないとの回答でした。

このように膠着(こうちゃく)した状況をどのように打開していったのでしょうか。

長くなりましたので、続きは次回といたします。