交通事故で耳鳴の後遺障害認定を受けるポイントとその後の賠償交渉で適切な補償を受けるポイントとは? その1

交通事故で豊富な解決実績を有している交通事故の被害者側の弁護士の大薄です。

今回は、交通事故による耳鳴の後遺障害に関する解決実績のご紹介です。

交通事故の被害でもっとも一般的な傷害は、頸椎捻挫や腰椎捻挫という首、腰の痛みです。

耳鳴りの傷害は、交通事故とのイメージが付きにくいかと思いますが、頸椎捻挫などの頸部の傷害に付随して発症し得るものであり、医学的に不自然なものではありません。

もっとも、頸椎捻挫等と比較すると、事例として多くないことは確かです。そのため、交通事故に強いと評判の事務所でも、耳鳴の後遺障害の経験は乏しいことが少なくないです。

さて、まず、耳鳴の後遺障害の認定ポイントです。

1つには、むちうちと同じように、事故後からの症状の一貫性が挙げられます。

もっとも、むちうちと異なり、症状の一貫性が緩やかに要求されるように感じています。

具体的には、むちうちの症状の場合は、事故直後からの愁訴(しゅうそ)がなければ事故との関連性を認めてもらうことは難しいですが、むちうちと違って、交通事故により耳鳴が発症するという認識は被害者にとって馴染みのない事柄です。

そのため、症状があったとしても自覚する時期が事故直後ではなかったり、事故直後から自覚していたとしても、医師に伝える時期が事故直後ではなかったりすることがあります。

しかしながら、耳鳴の発症が珍しいこともあって、医師に症状を訴えた時期が事故直後でないことをもって後遺障害認定の妨げとなるということは多くはありません。

その上で、耳鳴には後遺障害14級と12級の可能性があるのですが、12級の認定には12級の認定要件とされる検査を受けて、耳鳴の存在を客観的に明らかにする必要があります。

経験上、耳鳴の一貫性が認められる場合に12級認定を受けるための検査で耳鳴の存在を否定する結果が出たことはなく、私の経験では「耳鳴=12級」という認識となっています。

次に、賠償交渉で適切な補償を受けるポイントです。

が、長くなりましたので、続きは次回といたします。