前年度の年収が「0円」の場合における後遺障害逸失利益の交渉方法とは? その1

先日、困難な案件が無事に解決しましたので、ご報告いたします。

ご依頼者の方は、仕事中に、追突事故の被害に遭われました。

そして、当該事故により、耳鳴りの後遺障害(12級相当)を残しました。

現場仕事をされている方であるため、耳鳴りの症状により、

他の作業員からの指示が聞き取りにくくなるなどの支障がありました。

危険な作業場であるため、耳鳴りによる支障は少なくないことが容易に想像できました。

このように後遺障害が残存することで仕事に生じる支障に伴う損害は、後遺障害逸失利益を相手方に請求することで填補されます。

後遺障害逸失利益の計算方法は、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間」となります。

基礎収入は、事故前の年収などから認定することとなります。

しかしながら、今回のご依頼者の方は、事故前年度の年収が「0円」でした。

これは、さまざまな事情によるものですが、「0」にどのような数字を乗じても「0」です。

このような場合には、基礎収入は「0円」であり、後遺障害逸失利益も「0円」として諦めるしかないのでしょうか。

長くなりましたので、続きは次回といたします。