千葉志法律事務所は、代表弁護士の大薄と志を共に歩んできた整形外科分野に関する鑑定医やその他の分野に関する医療調査機関、事故発生状況調査会社と共闘しています。

鑑定医や医療調査機関との提携

 交通事故のご案件の中には、後遺障害の有無や認定された等級の適否を検討するために、医学的な知見の協力を得る事が不可欠な場面があります。
 例えば、CT画像を解析するにあたって、骨折の“程度”を鑑定することは、医師の間でも見解が分かれるような複雑な問題であり、弁護士で判断がつく事柄ではありません。

 そして、交通事故の業界では、長年、保険会社側には、顧問医がいるにもかかわらず、被害者側には、協力医がいないことが問題視されていました。
 千葉志法律事務所は、このような問題意識と向き合い、被害者側であっても、医学的知見の協力を行う鑑定医や医療調査機関と提携を行っています。

【*なお、千葉志法律事務所と提携関係にある鑑定医や医療調査機関は、客観的・中立的な立場から医学的検証を行って意見を述べるものであるため、ご期待に沿えない鑑定結果となる可能性があることは予めご了承ください。】

鑑定医や医療調査機関に関する詳しい情報

 交通事故の被害に遭われた方は、整形外科のみならず、脳外科、耳鼻科など被害の内容によって問題となる症状の診療科目は様々です。千葉志法律事務所では、どのような症状であっても医療鑑定による検証を実施できるように、整形外科分野のみならず、脳外科やその他の診療科目にも対応できるメディカルリサーチ株式会社と提携を行っています。
 また、特にご相談の多い整形外科分野に関しては、メディカルリサーチ出身の白井康裕博士による合同会社ホワイトメディカルコンサルティングとも提携を行っています。

メディカルリサーチ株式会社による医療鑑定の実績

事案の概要

 自動車対自動車の事故で、高齢の被害者の方が医療機関を転々と入院した後、退院して半年ほど経過した後、死亡した事案で、遺族の方が事故と死亡との因果関係を検証することを希望した事例

結果

 事故による長期入院の結果、体力・免疫力が低下し、死亡結果に繋がったと推論されたところ、治療機関が複数の機関に及んでおり、各機関が他の医療機関における医療記録の検討を拒んでいたため、医療調査機関に対して鑑定を依頼した結果、事故と死亡結果との因果関係の検討を受けることができた。

コメント

 臨床医は、他の臨床医の診療内容を検討することに抵抗を示すことが少なくなく、医療機関が複数にわたる被害者の医療記録を横断的に検討するには、鑑定医による協力が不可欠です。結果的には、事故と死亡結果との因果関係は認められなかったですが、因果関係を検証することでご遺族の方々の納得いく解決につながりました(結論は、後遺障害10級)。

事案の概要

 自動車対自動車の事故で、被害者の方は、労災保険により聴力障害の後遺障害が認められていたものの、自賠責保険では聴力障害の後遺障害が否定されていた事案で、診療録(カルテ)や労災認定結果を検討したところ、労災保険の認定結果には合理性が認められ、他に聴力障害を発症する受傷機転も認められなかったため、聴力障害と事故との因果関係は認められると推察されたので、鑑定医に当該推察が妥当であるか否かを尋ねた結果、妥当であるとの回答を受けたことをもって、作成された意見書をもとに、訴訟にて、聴力障害の後遺障害が認められる旨を主張した事例

結果

 メディカルリサーチによる意見書や診療録に残る治療結果などを踏まえると、自賠責保険の判断にかかわらず、耳鳴の限度で後遺障害を認めることが相当とする和解が提示された(後遺障害12級相当)。

コメント

 交通事故の後遺障害に関して自賠責保険と労災保険の結論が異なることは少なからずあります。いずれの結論が妥当性を有するかの検証には、医学的な知見が不可欠となることもあります。聴力障害という難しい後遺障害であっても、医療記録から自賠責保険の結論の妥当性を丁寧に検証できたことが、後遺障害を認める和解の提示につながったと思います。

合同会社ホワイトメディカルコンサルティングによる医療鑑定の実績

事案の概要

 バイク対自動車の事故で、バイクに乗車していた被害者の方が事故直後から一貫して右膝痛を訴えていたものの、MRI撮影の結果、右膝の半月板損傷と診断されたのが事故から約5か月経過後であったことを理由に、自賠責保険に対する後遺障害申請で、右膝の半月板損傷と事故との因果関係は認められず、残存する後遺障害は、他覚的所見なき疼痛障害にとどまるなどとして、後遺障害14級9号であるとされた事例

結論

 バイク転倒事故という受傷状況、事故当初から右膝痛の症状が一貫していたこと、診療録(カルテ)を取得して検討したところ、事故以外に右膝痛を生じさせる原因がなかったことなどから、事故から約5か月後のMRI撮影による半月板損傷が事故によるものであると推察されたため、当該推察が妥当であるか否かを鑑定医に尋ねたところ、妥当であるとの意見書が作成可能との回答を受けたため、作成を受けた意見書とともに、自賠責保険の判断に対する異議申し立てを行った結果、事故と半月板損傷の因果関係を認め、他覚的所見ある疼痛障害として、後遺障害12級13号が認定されたもの。

コメント

 初回申請結果の理由を把握した上で、診療録などの詳細な医療記録の取り付けと通院経過の検証を鑑定医とともに協力して実施できたことが良い結果に繋がったと思います。

損害保険調査会社との提携

 交通事故のご案件の中には、過失割合が問題となるものが少なくありません。
 過失割合は、原則として、中立的な立場にある警察官が事故発生状況を記録した実況見分調書または物件事故報告書の記載内容をもとに認定されます。
 しかしながら、稀に、これらの書類の内容が、被害者の方の認識と異なる場合があります。

 損害保険調査会社とは、被害者の方の認識と実況見分調書等の内容が異なる場合に、被害者の方から事故状況を聴取した上で、実況見分調書のように詳細な事故状況を報告する書面の作成の協力をしてくれる機関です。
 損害保険調査会社による事故発生状況報告書は、警察官による実況見分調書等の書類と異なり、一方当事者の依頼を受けて作成されたものであるため、裁判所等からは、報告書としての信用性が、実況見分調書を上回らないと認定されることも少なくありません。
 しかしながら、泣き寝入りとなることを良しとせず、裁判所等で、みずからの主張を訴えたいという方々からは、思うような結果にならずとも、最後まで主張を尽くしたことへの感謝を受けることもあります。
 日本の憲法は裁判を受ける権利を保障しており、交通事故の被害に遭われた方が裁判を受ける権利は、交通事故の被害に遭われた方自身にあります。
 千葉志法律事務所では、困難な状況であっても、最後まで諦めずに解決へ尽力すべく、損害保険調査機関との提携を行っています。

株式会社損害保険リサーチによる解決実績

事案の概要

 被害車両の修理費用に関して、被害者側の修理工場の見積書は、約90万円であるのに対し、加害者側の鑑定会社の見積書は、約70万円として、被害車両の修理金額が争いとなった事案で、損害保険調査会社に見積書の鑑定を依頼したところ、被害者側の見積書が妥当である旨の調査報告書を得ることができたため、当該調査報告書を裁判所に提出した結果、被害者側の見積書の修理金額を基礎とする和解が成立した事例

争点

修理費用の妥当性

コメント

 物的損害に関しては、修理費用の妥当性が問題となることが少なからず発生します。人的損害と比較すると金額的に大きくないこともありますが、修理費用の妥当性の検証などは、人的損害における後遺障害の妥当性の検証に匹敵するほどに複雑な問題となります。専門的な知見を有する損害保険調査会社の協力を得られたことが適切な解決に繋がったと思います。