最終準備書面とは?

弁護士の大薄(おおすき)です。

今月は、2件の事件で最終準備書面を提出してきました。

最終準備書面とは、裁判所に提出する最後の準備書面のことをいいます。

準備書面とは、こちら側の主張を裁判所へ伝える書面のことをいいます。

そのため、最終準備書面は、これまでの主張の総まとめの書面ということになります。

最終準備書面を提出するということは、通常、裁判が判決となるということを意味します。

判決とは、当該事件に対する裁判所の終局的な判断をいいます。

ひとくちに裁判といっても、判決に至る事件は極めてまれです。

裁判の過程では、互いに主張・立証をある程度尽くした後、裁判所から和解案が提出されます。

和解案とは、話し合いによる解決の余地を探る裁判所の提案です。

争いとなっているだけあり、裁判の原告・被告間は、相互に弱い部分があることは否定できません。

裁判所は、これまでの主張・立証を踏まえて、双方が折り合えるのではないかと考える案を提示してきます。

しかしながら、提示された和解案は、必ずしも、双方が折り合えるものとは限りません。

裁判所の提案する和解案を受け入れることができないとなれば、尋問、判決という過程をたどることになります。

尋問後に、再び和解案が提示されることもありますので、判決まで至るケースは極めて稀です。

最終準備書面は、裁判所へ提出する最後の書面です。

すなわち、依頼者の方の主張を当該裁判所へ伝える最後の機会となります。

弁護士の中には、尋問までで主張・立証は尽くされている以上、最終準備書面を提出することに特段の意義はないとして、最終準備書面を提出しない方もいます。

そのような考え方もあるかもしれませんが、私は、依頼者の方の気持ちが少しでも裁判所へ届くように、ご希望があれば拒むことなく、最終準備書面を提出するようにしています。