ひき逃げの被害に遭ってしまったらどうする?(無保険車特約の活用場面) その2

前回の続きです。

今回のケースでは、人身傷害保険はなかったため、政府補償事業制度により、傷害分の補償と後遺障害の認定を求めることとしました。

その結果、手指の骨折に関し、14級6号(欠損障害)の認定を受けることができました。

被害者の方は、無保険者特約にご加入であったため、後遺障害の認定を受けた後、保険会社と後遺障害分に関する示談交渉を行いました。

被害者の方と被害者の方がご加入の保険会社との交渉は、被害者の方と保険会社の方に契約関係があるため、契約内容である約款に従って、一定の金額が支払われます。

しかしながら、無保険者特約の約款には、「原則として、約款に従って一定の金額を支払うが、裁判所の判断を受けて決定した金額がある場合には、その金額を支払う」という趣旨の記載があることが通常です。そして、約款に従って算定された金額よりも、裁判所の判断を受けて決定した金額の方が、高額となることが通常です。

今回も、裁判所の判断を受けて決定した金額がある場合には、その金額を支払う旨の記載が約款にありました。また、想定される裁判所の判断を受けて決定される金額は、約款に従って提示された金額よりも高額となることが想定されました。

それゆえ、被害者の方と協議して、被害者の方がご加入の保険会社を相手とする裁判を提起することとしました(なお、ご自身の保険会社に対する裁判には、弁護士費用特約は使えませんので、弁護士費用は、獲得金額からの精算などでご自身の負担となります)。

結果的には、約款に従って算定された金額の5倍程度である280万円ほどでの解決となりました(当該金額は、政府補償事業からの既払金である195万円を除きます)。

依頼者の方からは、「このような解決方法があるなんて思いもよらなかった。自分ひとりではどうにもならなかったと思うので、大変感謝している。」とのお言葉をいただきました。

専門家へ相談することで道が開けることは多々あります。

ひとりで悩まずに、交通事故被害のご相談は、弁護士の大薄までご連絡ください。