自賠責保険がない場合の後遺障害の認定方法とは? その2
千葉で交通事故の損害賠償請求事件を専門としている弁護士の大薄です。
前回の続きです。
歩行者同士の事故や自転車が加害者の事故の場合は、自動車事故のような自賠責保険の制度がないのですが、このような場合、後遺障害の有無・程度は、どのように判断されるのでしょうか。
まず、加害者側が任意保険に加入しており、任意保険が治療費などの対応を実施していた場合は、自動車事故のときの保険会社側が後遺障害の有無・程度の調査を実施する事前認定のような制度を利用できる可能性があります。
保険会社側の調査となりますが、被害者側からみても調査結果が妥当なのであれば、双方にとって早期・円満な解決に資するため、利用する価値のある制度と思います。
次に、事前認定の調査結果に不服がある場合や加害者側の事前認定制度を利用できない場合ですが、これらのケースでは、裁判所に直接判断を求めるより他ないといえます。
後遺障害の有無・程度の判断を直接裁判所に求めることは簡単ではないですが、自動車事故のような自賠責保険の調査結果がない分、良くも悪くも裁判所側は予断のないフラットな状態での判断となります。そのため、弁護士側の腕の見せ所といえます。
今回のケースでは、過失割合とともに手術を要した骨折部位の疼痛障害が後遺障害12級(他覚的所見を伴う疼痛障害)にあたるか否かが争点となりました。
当事務所の顧問医による画像所見の見解など踏まえて主張立証した結果、過失割合は「50:50」として、後遺障害は、後遺障害慰謝料150万円、後遺障害逸失利益の労働能力喪失率10%とした後遺障害14級と12級の間をとったような内容での和解を成立させることができました。
ご相談・ご依頼をいただき訴訟対応を実施することがなければ、被害者の方のお手元に残る賠償金はゼロであったところからのスタートということもあり、依頼者の方からも大変納得できる解決ができたとのお言葉をいただくことができました。
交通事故の被害は弁護士に相談することで道が開けることが多いです。難しい状況であっても1人で諦めることはせずに、まずはご相談をいただければと思います。