高等裁判所で地方裁判所の判断を覆すことのできたケースの流れとは? その1
千葉で交通事故の被害者側の弁護活動をしている弁護士の大薄です。
先日、高等裁判所で地方裁判所の判断を覆す判決を受けられたため、ご報告です。
高等裁判所は、訴訟当事者の一方(または双方)が地方裁判所の判断に不服がある場合に、地方裁判所の判断の妥当性を審理する機関となります。
では、高等裁判所での判断を要する事件は、どの程度の割合で生ずるのでしょうか?
あくまでも私の体感ですが、まず、地方裁判所での訴訟となる事件は、全体の約5%です。
そのうち、地方裁判所における和解で解決となる事件は、約90%です。
そのため、高等裁判所での審理となる事件は、全体の約0.5%(1000件に5件)です。
そのうち、高等裁判所での和解で解決となる事件は、約50%です。
それゆえ、高等裁判所で判決で解決する事件は、全体の約0.25%(2000件に5件)です。
以上のとおり、高等裁判所で判決に至る事件は、相当に稀(まれ)といえます。
そして、高等裁判所で不服を申し立てた側に結論が有利に変わる割合は、全体の約20%という話もあるように、結論が有利に変更されるケースも稀となります。
このように極めて低い確立をくぐって、地方裁判所の判断を覆す判決を高等裁判所で受けられた訳ですが、具体的にどのような経過をたどって判決に至ったのでしょうか?
長くなりましたので、続きは次回といたします。