歩行者と自動車(自賠責保険のみ)の事故で、約1か月経過後に死亡した事案(享年約93歳)で、死亡結果との因果関係は不明であるが、約650万円の金額を獲得した事例

事案の概要

 歩行者と自動車(自賠責保険のみ)の事故で、歩道と車道の区別なき道路を歩行していたところ、歩行者の腕が自動車のミラーに衝突して歩行者が上腕骨骨折等の傷害を負って入院した後、約1か月経過後に、消化器官出血を原因として死亡した事案(享年約93歳)で、被害者請求の結果、事故と死亡結果との因果関係がないとはいえないとして、約650万円の金額を獲得した事例

争点

死亡結果との因果関係

コメント

 高齢の方は、免疫力の低下や環境変化に対する適応能力の低下などの影響から、交通事故の被害によって、急速に心身の不調を生じる場合があります。一見、事故との因果関係が認められないような死因であっても、診療録等の詳細な医療記録を取得して治療経過を検討して、死亡結果との関連性を検証することも重要です。因果関係不明の場合における自賠責保険の取り扱いは、非常に特殊な制度であり、交通事故に精通している弁護士でも、当該制度の存在を知らないことがあります。簡単に諦めることなく、自賠責保険の特殊な制度に対する知識の研鑽と医療記録を詳細に検討した結果が、良い結果に繋がったと思います。

弁護士費用

被害者請求と訴訟を受任の範囲として、「獲得金額の16%」という内容で契約し、消費税や実費を控除して、お手元に約530万円が残ったもの。