自賠責基準の慰謝料に関するよくある誤解とは?
千葉で交通事故の被害者側の弁護士をしている大薄(おおすき)です。
今回は、自賠責基準の慰謝料に関するよくある誤解を書きたいと思います。
自賠責基準とは、自賠責保険の慰謝料等の算定基準です。
自賠責保険は、交通事故の被害に対する最低限度の補償を目的としています。
そのため、裁判所基準・弁護士基準と比較すると、一般的に慰謝料は低額となります。
自賠責基準の慰謝料の算定方法(令和2年4月1日以降に発生した交通事故)は、「通院期間と通院日数の2倍のいずれか低い方に4300円を乗じた金額」となります。
ここで、よくある誤解です。
上記の算定方法によると、例えば、月に15日通院した場合、1か月の通院慰謝料は、「30×4300円=12万9000円」となります。
これを1年間続けた場合は、12万9000円×12=154万8000円の慰謝料となり、裁判所基準・弁護士基準の119万円を自賠責基準が上回るように思えます。
しかしながら、自賠責保険の支払上限は、治療費や休業損害、慰謝料など諸々を含めて120万円となります。そのため、諸々を含めた上限が120万円であることを抜きにして、通院すれば通院した分だけ慰謝料が増えるという関係にはなっていません。
交通事故被害の法律相談を対応するにあたって、ご相談者の方が誤解されている場合が多いケースの1つとなるため、今回のブログで記載させていただきました。