自賠責で因果関係が否定された場合の対処方法とは? その4

こんばんは。

弁護士の大薄(おおすき)です。

クリープ現象による追突事故の和解に関する最終回です。

前回までのお話で、裁判所から以下の内容の和解案が提示されたこと、

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被害者の方が事故で受傷した事実は認められる。

治療費は、相手方保険会社が対応した期間である6か月分は認める。

慰謝料は、通院期間3か月程度の範囲で認める。

調整金として、9か月分までの治療費に相当する金額を認める。

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また、当該内容の和解が良案であったことをお伝えしました。

最後に、今回の案件に関するより良い解決策についてお話したいと思います。

まず、話を整理します。依頼者の方が私のもとへ来たのは、以下の経緯でした。

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相手方保険会社は、約6か月間、治療費の支払いを行っていました。

その後、被害者の方は、約9か月まで治療を継続して、自賠責保険に被害者請求を行いました。

すると、自賠責保険は、因果関係否定の判断をしてきました。

その後、被害者の方は、相手方保険会社にすでに支払った治療費の返還を求められるなどの訴えを起こされました。

このように訴訟提起された後、被害者の方は、私のもとに来ました。

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仮に、被害者の方が自賠責保険へ被害者請求をする前に、私のもとに来ていれば、私は以下のようなアドバイスをしたと思います。

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今回の事故は、クリープ現象による事故であるため、事故態様としては、軽微なものととられる傾向にある。

自賠責保険への被害者請求は因果関係否定のリスクが高い。

反面、相手方保険会社による約6か月間の治療費の対応は、今回の事故態様を前提とすると、比較的長い。

そうであるとすれば、約6か月間の治療期間を前提に、示談交渉を行い、獲得した慰謝料を通院の治療費にあてるべきである。

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むちうちによる通院期間6か月の慰謝料は、89万円程度とされています。

示談交渉は、早期解決のため、双方に譲歩が要求されますので、約80%の解決としても、72万円程度です。

今回の和解が約60万円であったことからすると、このような解決の方が経済的にメリットがありました。

また、時間的にも、訴訟手続に掛かる時間を省略できるため、メリットがありました。

私は、交通事故のご案件を常時150件ほどご対応させていただております。

そのときの状況に応じた最善の解決策に尽力することはできますが、時間を巻き戻すことはできません。

弁護士にもそれぞれ得意分野があります。

交通事故の問題は、交通事故を得意とする弁護士にお早めにご相談いただければと思います。