簡易裁判所と地方裁判所の裁判官や裁判制度の違いとは?
交通事故の被害者側の弁護士として千葉で活動する大薄です。
本年もよろしくお願いいたします。
先日、簡易裁判所の判決に対して控訴をした事件が地方裁判所で和解となりました。
一般的に簡易裁判所の裁判官が、司法試験に合格した人であることはありません。
裁判所書記官を長年勤めた方が簡易裁判所の裁判官をやっていることが多いです。
これは、法曹人口が少なかったことに由来する制度でもあります。
このような簡易裁判所の裁判官を補佐する制度として、司法委員という制度があります。
交通事故の事件には、保険会社での勤務経験がある人が選任されることも少なくないです。
また、稀にではありますが、弁護士が司法委員を務めていることもあります。
他方、地方裁判所の裁判官は、弁護士と同じく、司法試験に合格した人です。
今回のケースでは簡易裁判所の審理に、弁護士の司法委員が選任されていました。
交通事故に慣れている弁護士の司法委員であれば、簡易裁判所の裁判官をリードするぐらいの対応をしてくれることもあるのですが、今回の司法委員は慣れていない印象でした。
ただ、弁護士であれば、慣れていなくとも、こちら側である程度のかみ砕いた説明をすることで、全体的に適切な着地点に向かってフォローしてくれることが一般的には多いです。
しかしながら、今回のケースでは、全く理解されず、やむを得ずに控訴となりました。
控訴審は東京地方裁判所だったのですが、東京地方裁判所は司法試験に合格している裁判官ということのみならず、交通事故の専門部での審理となるため、非常にスムーズでした。
結果的には、控訴審の初回期日で受けた内容の和解案で和解成立となりました。
司法試験制度の改革により、法曹人口は増加しています。
簡易裁判所の裁判官も司法試験合格者に移行していく措置も議論されているようです。
また、弁護士を含めて司法委員にも得意・不得意があるはずです。
スムーズな運用の観点からは、得意分野の補佐に限定すべきように思います。
迅速かつ適切な解決は誰しもが望むところです。
今回の裁判を通じて、簡易裁判所の制度がより良いものになっていければと感じました。

