自賠責保険による後遺障害が非該当であったところを訴訟により覆した結果、後遺障害部分の補償として約470万円を獲得した事例の経過とは? その3

千葉で交通事故の被害者救済を専門とする弁護士の大薄です。

前回・前々回の続きです。

訴訟により自賠責保険の後遺障害非該当の結果を覆していく方針としたのですが、訴訟を円滑に実現するため、訴訟を提起する前に注意した点とは何だったのでしょうか。

今回の訴訟の目的は、後遺障害等級の獲得にありました。

逆に言えば、後遺障害以外の点は、特に争いがありませんでした。

争いがない点は、訴訟外で解決してしまった方が、訴訟の争点が減ります。

そのため、争点を絞るべく、傷害部分の損害は、訴訟外で解決することとしました。

相手方保険会社も解決できる部分は解決して進めることに異論はなかったため、傷害部分は、訴訟外で示談した上で、後遺障害部分の訴訟を提起しました(傷害部分:約140万円)。

その結果、後遺障害の有無・程度という難しい論点ではありましたが、訴訟提起から約半年となるタイミングで、裁判所から和解案の提示を受けることができました。

和解案の内容としては、後遺障害慰謝料や労働能力喪失率は、後遺障害14級相当をベースとするものの、労働能力喪失期間は13年間とする提案となりました。

こちら側の主張もある程度汲んでいただいた内容であったこともあり、依頼者の方とも協議した結果、裁判所和解案に応じる形での解決となりました(後遺障害部分:約470万円)。

訴訟により後遺障害の獲得を目指すことは、交通事故の被害者側の事件において、非常に難しい弁護活動といえますが、弁護士として非常にやりがいのあるものでもあります。

自賠責保険に認定された後遺障害等級に疑問をお持ちの方は、相手方と示談してしまう前に、交通事故を得意とする弁護士にご相談されることをオススメいたします。