千葉志法律事務所における顧問医の意義とは? その2

前回のブログの続きです。

レントゲン等の画像所見で、疼痛障害の原因がはっきりと分かる状況であるか否かを検討することは、なぜ相当に高度な医学的な話なのでしょうか。

まず、そもそも病院から取得した画像データを解析するには一般のパソコンの状態では耐えられないため特殊な装置を搭載することが必要となります。

また、仮にパソコンで画像データが見れたとしても、CTやMRIは何枚も画像が撮影されているため適切な画像を抽出することが必要となります。

その上で、適切な画像を抽出したとしても、主治医の先生は骨癒合不全と意見しているにもかかわらず、保険会社がこれを認定しないようなケースは、骨癒合不全か否かが医学的にみて誰の目にも明確とまでは言えないケースも少なくありません(もちろん医学的に極めて明確であるにもかかわらず保険会社が否定しているケースも多々あるとのことです)。

このように画像の抽出や画像の状況に対する医学的な中立的見解を求めるにあたって、当事務所の顧問医への相談は非常に有効となります。

また、治療にあたる臨床医は賠償問題に対する関心が高くない傾向にあるため、裁判官等に賠償請求を認めてもらうために重要となる医学的根拠文献の添付に熱心でないことが多いですが、顧問医はこのような医学文献の補充をお願いする際にも非常に有効となります。

今回のケースも、事前に顧問医へ画像鑑定を依頼し、主治医と保険会社側のいずれの見解に分がありそうか相談した上で、主治医の見解に分があることを医学的な根拠資料とともに確認してから主治医に意見書作成を依頼したことが、充実した意見書の取得、ひいては異議申立てによる後遺障害12級13号への保険会社の認定変更につながりました。

今回ご紹介したケースのように、医学的に複雑な話がからむ問題は、私が交通事故の被害者側の事件を対応していて特にやりがいを感じるケースの1つです。

交通事故の被害にあって後遺障害の認定において医学的に複雑な問題に直面している場合であっても、ご自身で諦めることはせずに、まずはご相談いただければと思います。