社員が勝手に使ったから知らない!!・・・で許されるのか??

交通事故の被害者救済を専門とする千葉の弁護士の大薄です。

先日、やや複雑なご案件が訴訟を通じて解決となりました。

被害者の方は、追突事故により、お車を損傷されました。

ところが、加害者は、任意保険に加入していないとのことでした。

また、お話をお伺いする限り、加害者の方は、資力も乏しそうとのことでした。

そうなると、ご依頼を受けたとしても、修理費用の回収が難しい可能性があります。

もっとも、話を良く聞いたところ、加害者の方は、会社の車で事故を起こしたようでした。

現に加害車両のお写真を拝見すると、会社名が車にラベリングされていました。

会社名で調べたところ、相応の規模の会社で、資力は問題なさそうでした。

そこで、会社に対して、修理費用の損害賠償を求めることとしました。

もっとも、会社からは、「従業員が勝手に社用車を運転して発生させた事故である」ということを理由に、会社には責任がなく、賠償請求には応じられないとの回答がありました。

それでは、このような会社の主張は認められるものなのでしょうか?

この点、使用者である会社には、被用者に対する使用者責任があります(民法715条1項)。

使用者責任の制度趣旨は、使用者は被用者の活動により利益を拡大しているのであるから、被用者の活動により発生した損害の責任も負担することが公平であるという点にあります。

そして、被用者の行為が使用者の責任に属するか否かは、広く被用者の行為を外形的・客観的に観察して判断すべきとされています(最高裁昭和39年2月4日第三小法廷判決)。

本件でも、加害車両には会社名がラベリングされていたことを理由に、外形的にみて、会社の職務行為の範囲内に属するものであるとして、会社の責任が認められました。

一見難しそうな状況であっても、専門家に相談してみることで道が開けることは多いです。

交通事故のご相談は、交通事故の専門家にご相談されることを推奨いたします。