治療費が高額となった場合の解決方法で差が出るポイントとは? その1

交通事故の被害者救済を専門とする千葉の弁護士の大薄です。

先日、裁判所で良い和解が成立したため、ご報告いたします。

被害者の方は、横断歩道のない道路を徒歩で横断中に自動車に衝突されました。

受傷内容は、両股関節の骨折を伴うなどの重症でした。

入通院治療を継続したものの、両股関節の機能障害など後遺障害併合11級を残しました。

重症事故であったため、被害者の方の入通院治療費は、約400万円に及んでいました。

他方、事故態様等を踏まえると、被害者の方には15%ほどの過失が認められる状況でした。

被害者側に過失があっても加害者側の保険会社は治療費の全額を支払うことが通常です。

もっとも、全額を支払うといっても、それは立替払いに過ぎません。

本来は約400万円×85%=340万円を支払えば足りるところ、早期・円満解決のために、慰謝料の仮払いというイメージで、全額を支払っているのが実態となります。

そのため、上記の例で言えば、最終的な示談交渉の慰謝料の金額は、加害者側の保険会社が立替払した約60万円を控除した金額で提示されることが通常です。

このような処理は、法律的には何らの問題もないのですが、被害者側の立場からすると、お手元に残る金額が減るため、何となく損をしている気にもなります。

何となく損をしている気持ちを解消するには、どのような方法があるのでしょうか。

長くなりましたので、続きは次回といたします。