交通事故の後遺障害認定における脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)の違いとは?

千葉で交通事故の被害者側の弁護活動を専門としている弁護士の大薄です。

先日、裁判所で良い和解が成立したため、ご報告いたします。

被害者の方は、歩行中に自動車に衝突されて受傷しました。

足の骨折を伴う重症で、事故当初は入院治療も余儀なくされました。

相手方保険会社の事前認定の結果、後遺障害12級8号(腓骨の変形障害)とのことでした。

被害者の方は、当該等級に不服とのことで、当事務所へのご相談となりました。

足の骨には、脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)があります。

脛骨は太く、腓骨は細いです。

そのため、脛骨の骨折と比較して腓骨の骨折による後遺障害は軽度にみられる傾向にありますが、腓骨も足の機能を支える重要な骨であることに違いありません。

自賠責保険の後遺障害認定の要件的には、腓骨の骨折による機能障害の認定は難しいものの、現実問題として、機能障害が残っていることは間違いないと感じました。

当事務所の顧問医にも画像鑑定を依頼したところ、腓骨の変形障害は、画像的に相当に明白であるとの評価であったため、訴訟による上位等級の獲得を目指す方針としました。

主治医の先生も非常に協力的であったため、腓骨の変形障害(腓骨の偽関節)と機能障害の因果関係につき、詳細な理由を含めた肯定的な意見書をいただくこともできました。

高度に医学的な争点となるため、訴訟開始から約1年ほどの審理期間を要しました。

結果的には、腓骨骨折に伴う後遺障害であっても、歩行機能に著しい支障が出ていることを考慮いただき、後遺障害11級相当をベースとした裁判所の和解案での解決となりました。

被害者の方のお話に耳を傾けることはもちろんのこと、そのお話の裏付けとなる医学的な証拠を収集できるか検討して対応した結果、こちらの主張を一定程度汲んでいただいた解決となったため、非常に難しくはありましたが、やりがいのあるものといえました。

訴訟による後遺障害等級認定の獲得・昇級を求める対応は、法律的な観点のみならず、医学的な観点からも検討が必要となるため、交通事故事件の中でも特に難しいです。

交通事故の後遺障害でお悩みの方は、顧問医や鑑定医へのご相談も可能な千葉志法律事務所へご相談ください。