交通事故で耳鳴の後遺障害認定を受けるポイントとその後の賠償交渉で適切な補償を受けるポイントとは? その3
交通事故の耳鳴に関する後遺障害の豊富な経験を有する弁護士の大薄です。
前回、前々回の続きです。
今回は、最近解決となった耳鳴の後遺障害のご案件を2件ご紹介いたします。
1つは、後遺障害14級での解決となったご案件です。
前々回のブログにて、「耳鳴=12級」との認識とお伝えしましたが、14級のご案件です。
被害者の方は、当事務所にご依頼される前に、別の弁護士事務所に依頼されていました。
当初はむちうちによる後遺障害のみであり、耳鳴の認定は受けられていなかったとのことですが、異議により、14級の耳鳴を獲得することが出来たとのことでした。
その後、賠償交渉に移行したものの、どうしても14級という結果に納得できず、賠償交渉を成立させる前に、セカンドオピニオンとして当事務所にご相談に来られました。
前々回のブログでもお伝えしたように、12級の認定要件の検査結果さえあれば、「耳鳴=12級」となるため、同検査の有無を確認したところ、同検査は実施されていませんでした。
そのため、耳鳴14級の認定からは約2年が経過していましたが、検査を実施いただいたところ、やはり、客観的に耳鳴が存在するとの検査結果が出てきました。
当該検査結果に基づき、当事務所から改めて不服申し立てを実施したのですが、なんと結果は、14級の耳鳴のままでした。理由としては、要するに、14級の耳鳴の認定から相応に時間が経過した時点での検査結果となるため信用性に欠けるというものでした。
当然、当該結果には不服であったのですが、被害者の方と諸々のご事情を考慮して相談した結果、14級の耳鳴等を前提とする示談交渉へ移行することとなりました。
示談交渉の結果は、労働能力喪失期間を症状固定時から67歳までの約20年間として、総額約650万円(後遺障害部分の自賠責保険金を含む)での解決となりました。
賠償交渉としては、率直に非常に上手く行った結果となったといえます。
しかしながら、初回の後遺障害申請や1度目の異議申立ての際は別事務所での対応であったため、私自身にどうすることもできない状態ではあったものの、やはり初回の後遺障害申請や遅くとも1度目の異議申立ての時点で12級の認定要件の検査を受けていれば、後遺障害12級の獲得が強く見込めたご案件であったため私的には悔いも残る形となりました。
もう1つは、後遺障害12級での解決となったご案件です。
が、長くなりましたので、続きは次回といたします。